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松原 潔まつばら きよし

対応エリア:
香川

伝統文化 観光名所 歴史 芸術

対応エリア 香川

四国八十八ヶ所霊場第75番札所善通寺には、札所としては珍しく宝物館が併設されています。善通寺が所蔵する仏像や仏画を含む美術工芸品や古文書類を保存・管理・公開するために1907年に創設されました。松原さんは、善通寺の専属学芸員です。
松原さんが仏像をはじめとする美術工芸品に興味を持ったのは大学時代。仏師運慶の仏像を見た時に「この仏像を作った人はどんな人なんだろうか」と好奇心がふつふつと沸き上がったそうです。その後、大学院でのより専門的な研究を経て、自治体の文化財調査に携わり、京都の大学博物館等で学芸員としての経験を積んで、現在に至ります。「毎日仏像や文化財と接する日々はとても幸せです」と笑みを浮かべながら話してくれました。

文化財の価値とはどこにあるのでしょうか。
「作られた時代がハッキリすることで、文化財から当時の流行や文化がわかります。そこから人々の暮らしが見えてきたり、史実の裏付けが取れたりします」
とは言うものの、素人目にはなかなかその価値がわからないのも事実です。そんな時こそ学芸員の出番です。文化財を目の前に、史実や美術的価値をわかりやすく解説してくれます。
同じものを見ても、そこから感じることは十人十色。それもまた、文化財を鑑賞することの面白さなのだとか。
遠い昔の先人たちが、何を思い、何を後世に伝えようとしたのか。松原さんは、まるで過去と現在をつなぐ通訳者のようです。

宝物(ほうもつ)と呼ばれる文化財の中には、弘法大師がプロデュースしたのではないかと思われるものが多く存在します。
「お大師さまは、経典だけでなく仏像や絵画などを通して、仏の教えを分かりやすく伝えようとしていたのです。仏教のビジュアル化とでも言いましょうか。広く人々に伝えたいと心底思っていたのでしょうね」
文化財は、未来永劫存在するものではありません。「形あるもの、いつか消えゆく」という諸行無常の理には逆らえず、時の流れとともに、ゆるやかに傷んでいきます。文化財の管理は、まさに時間との闘いです。モノと一緒に先人の思いまで消えてしまわぬよう、それらを適正に管理・保存し、必要に応じて公開する。現代に生きる私たちが、先人の思いを目にすることができるのは、学芸員の丁寧な仕事の数々があってこそなのだと感じます。

文化財を通して仏教の世界観をよりディープに掘り起こしていく。松原さんの案内は、来る人の探求心を満たしつつも、「もっと知りたい」という好奇心を更に掻き立てます。
質素な木彫りの仏像から、きらびやかな宝物まで。文化財の声に、静かに耳を傾けてみてはいかがでしょうか。

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