岩佐 喜雲いわさ きうん
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香川
お線香の香りに、どことなく懐かしさを覚える人は多いのではないでしょうか。夏休みに行った田舎のおばあちゃんちのお仏壇や、家族で参った先祖の墓前など、日本人のDNAにうったえかけてくる香りと言っても過言ではないかもしれません。
そんなお香の魅力を広く伝える活動をされているのが、岩佐さんです。岩佐さんのご実家は有名な仏具屋さん。幼い頃からお線香の香りとお仏壇に囲まれて育ってきました。24歳の時、お香の原料の中でも特に高価とされる伽羅(きゃら)の香りを嗅いだ時、言いようのない感動を覚えたといいます。そこから岩佐さんとお香のお付き合いは始まりました。
一説には、「香川」という地名は、四国八十八ヶ所霊場第82番札所「根香寺」付近に香りの強い香木があり、それが川に流れてきて香る地となったという由来があるのだとか。言われてみれば、川の名前や地名にも「香」の文字が使われている場所が多いような気がします。もしかすると、香川はもともと香りとは切っても切れない縁のある土地なのかもしれません。
お香は古くは薬としての役割があったり、虫よけとして日常的に使用されたりと、現在より身近な存在であったそうです。それでもやはり宗教的な意味合いは濃く、今でもお寺に行くと「塗香(ずこう)」と呼ばれる仏の前で自らを清めるために使う塗るお香が備えられているところがあります。岩佐さんとお寺が共同開発した、そのお寺だけのオリジナルの塗香を置いているお寺もあり、女性を中心に密かな注目を集めています。お香を通して、お寺やご先祖の供養に関心を持って欲しいというのが岩佐さんの願いです。
最近は、岩佐さんが講師を務める、お香の歴史を学んだり実際に調合ができる体験講座が人気に。「お香のベースになる香りの種類というのは、25種類程でそんなに多くはないのです。その中から気に入った香りを選んで調合し、自分だけの香りを作って楽しむ。微妙な配合の違いで、全く違った香りになるところが面白いと思います」
できあがったお香は、匂い袋にしたり、小さな袋に小分けにして名刺入れや財布に忍ばせて、時たまフワッと香る匂いを楽しんだり。
平安時代のお姫様は、その日の体調に合わせて香りを選んでいたと言われています。どことなく懐かしいお香の香りにつつまれて、悠久の時に思いを馳せてみるものよいかもしれません。
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